会員限定記事会員限定記事

【体験ルポ】心躍るカーニバル~熱狂と興奮、踊りと祝祭~

ブラジルの中の「ニッポン」

 南米の大国ブラジルの代表的なイメージと言えば、サッカーとアマゾン熱帯雨林、そしてカーニバルだ。最大都市サンパウロに駐在して2年、この地に暮らす以上、一度は熱狂の渦に身を投じねばなるまい。観客ではなく、踊り子として。そして2015年、ニッポンをテーマにカーニバルに出場するという有力サンバチーム「アギア・ジ・オウロ(黄金の鷲)」に仲間入りする機会を得た。ラテンのリズムに乗り、熱狂と興奮、高揚感を全身で感じるまたとないチャンス。準備から本番までその一部始終をお伝えしたい。(2015年2月、サンパウロ支局 辻修平)

 サンパウロには160万人に上る世界最大の日系社会がある。1908年に初めて日本人移民がブラジルに入植して以降、年々規模を拡大してきた。街角で日本語を耳にすることも珍しくない。日本人街もあり、スーパーでは納豆も豆腐も手に入る。「ヤキソバ」や「ギョーザ」はブラジル人に人気の食べ物として定着している。外見から立ち居振る舞いまでほとんど日本人と見分けがつかない日系人も多い。

 こうした事情から、日本とブラジルの外交120周年に当たる15年、アギア・ジ・オウロがカーニバルのテーマに「ニッポン」を選んだのも不思議ではない。地球の反対側にありながら、パウリスタ(サンパウロ市民)にとって「ニッポン」はとても身近な存在なのだ。

 アギア・ジ・オウロは1976年に創設された強豪サンバチームで、精鋭が集まる1部リーグでの最高成績は3位。知名度と実力を兼ね備え、「ニッポン」とともに初優勝を目指す。チームのメンバーは総勢3500人。15年は日系人と日本人約650人も参加することが決まった。

新着

会員限定

ページの先頭へ
時事通信の商品・サービス ラインナップ