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ポール・マッカートニー日本武道館公演

本当に「カエッテキタヨ!」

 4月21日夜、アリーナとスタンドを埋め尽くした京セラドーム大阪の大観衆は「生きる伝説」の登場を待ちわびていた。昨年5月は体調不良で日本の全公演がキャンセルとなり、大勢のファンが落胆した。今回はそのリベンジ公演、ポール・マッカートニー「アウト・ゼアー ジャパン・ツアー2015」だ。

 開演予定の午後6時半から30分以上が過ぎてもポールは登場しない。昨年のことがあるので、本人の姿を目の当たりにするまで安心できなかったファンも多かっただろう。

 午後7時過ぎ、ようやくステージが暗転し、ドームが割れんばかりの大歓声に包まれた。まばゆいばかりのスポットライトを浴び、バイオリンベースを肩から下げたポールが登場すると、ファンはこれ以上ない拍手と歓声で出迎えた。6月には73歳を迎えるサー・ポール・マッカートニー。世間では「おじいちゃん」と呼ばれてもおかしくない年齢だ。

 両手を上げて歓声に応え、すぐにノリの良いナンバーを2曲披露した。待ちに待った第一声は「マイド、オオサカ」。よしもと新喜劇なら一同ひっくり返る場面か。お茶目な大阪弁に場内は爆笑に包まれた。そして「カエッテキタ!」と2度、力強く叫んだ。

 本当に元気な姿で戻って来てくれた。一昨年の来日公演より若返ったように見える。ツアー中、歌声は日を重ねるごとに調子が良くなり、体調不良で劣化するどころか、バージョンアップしたのではないのかとさえ思わせる復活ぶりに、度肝を抜かれたファンも多かったはずだ。

 こうして今回のジャパンツアーの公演が、京セラドーム大阪を皮切りに、東京ドーム(4月23、25、27各日)、日本武道館(28日)で行われ、5月2日には韓国初となるソウルを加えた公演も開催された。

 この中でも最大の目玉となるのは、ジャパンツアー最終日の日本武道館公演だ。伝説的な1966年のビートルズ来日以来、49年ぶりとなる舞台。ビートルズやポールの熱狂的なファンである筆者は、ソウルも含めた6公演をすべて鑑賞したが、今回、この武道館公演を中心にリポートしたい。

 (時事通信社編集局写真部次長・山崎秀夫)

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