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なでしこのレジェンド澤穂希、引退

悔いのないサッカー人生

 サッカー女子日本代表(なでしこジャパン)の中心選手として数々の金字塔を打ち立てた澤穂希選手(37)が現役引退を決断した。12月16日に発表、翌17日に記者会見を行い、「心と体が一致してトップレベルで戦うのがだんだん難しくなったと感じた」と決断理由を語った。

 会見の冒頭、「今季をもちまして引退することを決断しました」と切り出した。途中、感極まって言葉を詰まらせる場面はあったが、「悔いのない、やり切った、最高のサッカー人生」と満足感を漂わせ、「これまで応援してくださった皆さま、支えてくださった皆さまに感謝の気持ちでいっぱい」とファンや関係者への謝意を表した。

 8月にJ1仙台の運営・広報部長である辻上裕章氏と結婚。結婚と引退の関係について問われると、「まったくありません。結婚していようが、していまいが、この決断に変わりはなかった」と説明した。

 引退理由に挙げた「心と体」に関する難しさについては、昨年日本代表を外れたころから強く感じていたという。「去年から、続けるか続けないか自問自答を繰り返してきた」と振り返り、「主人にも背中を押してもらって、本当にこの1年頑張れた。主人が励ましてくれたので、続けられた」と説明。引退も考える中で、ご主人の存在が新たなモチベーションとなって現役生活が1年延びたというのが本当のところだという。

 その結果、今年のワールドカップ(W杯)カナダ大会を前に日本代表に復帰し、男女を通じて史上初となる6度のW杯出場を果たすと、チームは決勝まで進み、2011年のドイツW杯の優勝、12年ロンドン五輪の銀メダルに続いて大きな成果を残した。

 引退を決めた現在の心境については、「たくさんのことを経験し、悔いのない、やり切ったというサッカー人生。そういう心境です」と、何度も「やり切った」「悔いのない」という言葉を繰り返した。「サッカーがなければ今の自分はない。サッカーからたくさんのことを学んだ。サッカーに出会えて本当に感謝している」

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