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野球賭博・コミッショナー会見詳報

深くおわび申し上げる

 プロ野球巨人の3投手による野球賭博問題で、日本野球機構(NPB)の調査委員会から報告を受けた熊崎勝彦コミッショナーは2015年11月10日、東京都内で記者会見を開き、福田聡志投手(32)、笠原将生投手(24)、松本竜也投手(22)にいずれも無期失格処分が相当とする制裁を発表した。巨人に対しては、管理責任が重いとして制裁金1000万円を科した。

 NPBの熊崎コミッショナーは同日、記者会見し、冒頭次のように謝罪と説明をした。

 本件、3選手によります野球協約違反の有害行為の件に関しまして、先日会見で申し上げました通り、多くの野球ファン、関係者の皆様に対し、大変なご迷惑をお掛けしたことについて、プロ野球界を代表して、重ねて深く深くおわび申し上げる。今後、再発防止に全力を挙げる所存です。

 当初からこの事態を重大かつ深刻に受け止め、先に徹底した多項目にわたる調査を、常設の調査委員会に委嘱したところです。既に中間報告がなされているが、野球協約の所定の手続きに従い、本日午前10時、調査委員会から報告書、処分案が本職に提出された。これらを踏まえて熟慮を重ね、慎重に検討を重ねた結果、かえすがえすも残念至極、断腸の思いですが、3選手、3名について、いずれも無期の失格処分とする裁定を行いました。あわせて、株式会社読売巨人軍に制裁金1000万円の裁定を行いました。

 裁定にかかる要旨のご報告です。付け加えますと、3選手の協約違反の事実、180条1項2項の、違反事実該当の条文につきましては、既に十分ご承知のことであろうかと思いますので、具体的には省略させていただく。また、巨人については、熟慮を重ねた結果、194条に該当するというコミッショナーの裁定により、制裁金を課すことにした。

 本件の事実関係は省略しますが、3選手にどういう点を重視したか。調査報告書にも記述があると思いますが、わたくしもあらためて考えて、異論はないということ。いくつか挙げれば切りがないが、まず、処断の内容は、1年の失格、または無期の失格処分という選択になっています。考えたところ、この3選手について、無期の失格処分を選択して制裁したという大きな理由は、177条、あるいはこれをさらに受けた180条の趣旨から理解して、八百長試合が行われることは、プロ野球選手らにおきましては、こういった賭博、プロ野球にかかる賭博、野球賭博常習者等との交際についても、これが八百長試合に発展する懸念を持つことは疑いがない。こういうところを踏まえて、このような有害行為について厳しい処断をすべきという協約の趣旨を容易に読み取ることができる。

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