かみごたえのある硬いパンが主流のスイスで、あんパンやメロンパンといった日本独特の商品が並ぶパン屋さんが、同国最大の都市チューリヒ郊外にある。日本人パン職人が切り盛りするこの店は、現地に住む日本人だけでなく、地元スイス人にも大人気だ。
店の名前は「HIRO TAKAHASHI(ヒロ タカハシ)」。シェフでパティシエの高橋裕則さん(41)が2010年にスイス初の日本人パン屋として立ち上げ、現在でも同国で日本風のパン屋はここだけだという。
店はチューリヒ中心部から電車で10分弱の住宅地にある。前面がガラス張りで、白を基調とした明るい店内に入ると、香ばしい匂いがいっぱいに広がっている。棚に並ぶのは、あんパンやクリームパンなど、日本でもなじみ深いパンだ。
販売するパンは約30種類で、あんパンなどの甘いパンは3フラン(約370円)、カレーパンなど惣菜パンは3.5フラン。食パンはサイズによって7フランと20フランだ。
5年前の開店当初は8割程度が日本人の客だったが、今ではスイス人と日本人が半々程度となり、売り上げも倍増したという。
現地の人に特に人気なのがメロンパンだ。店を訪れるのは2度目という地元アドリスヴィルの女性警察官も、メロンパンを絶賛。「ふわっと軽くて、味が特別。以前食べておいしかったので同僚の分も買いに来た」と話していた。
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