新しい男子のプロバスケットボールリーグ「B.LEAGUE」が2016年秋に開幕する。日本国内にナショナル・バスケットボール・リーグ(NBL)とbjリーグの二つが並立し、日本協会が国際連盟から資格停止処分を受ける異例の事態を経て誕生した新リーグ。チェアマンとしてかじを取るのは、サッカーのJリーグで常務理事などを歴任した大河正明(58)さんだ。新リーグ開幕への準備、今後の日本バスケットボール界などについて、大河さんに聞いた。(聞き手・時事ドットコム編集部 舟木隆典)
大河さんは9月15日、チェアマンに就任したばかりだ。16年のリーグの開幕へ向けて、準備を急ピッチで進めている。
「リーグはまだこれからです。協会とリーグ、そしてクラブが手を携えて、事業規模を大きくしていく過渡期、出発点の時期です。リーグはようやく新しい理事も決まり、実行委員も出そろい、ようやく出発したのかなと思います。一番やっていることは、クラブにどういう社長やスタッフがいて、どういう試合をやっていて、どんな練習環境か、そのへんをなるべく足で稼いで知ること。社長に来てもらって話をしているだけじゃなくて、現地に行って、試合がある日とない日、実際に見るのは大きく違います。できれば、開幕前に一通り回れるといいかなと思っています」
大河さんは銀行勤務を経て、Jリーグ事務局入り。Jリーグでは、各クラブの経営面の審査などで手腕を発揮した。それだけに、B.LEAGUEの順調な滑り出しへ、経営面への視線は鋭い。とりわけ、成功の鍵となる各クラブと自治体との関係づくりには心を砕く。
「できれば、われわれは47都道府県にクラブを持ちたい、そのためにはホームタウンに根付いて、地域に貢献できるような活動をやって、地元の市民、企業に応援してもらわないといけない。アリーナの所有者は自治体がほとんど。行政のサイドに意義、設立趣旨、理念をしっかり説明をして、Jリーグと同じことをやればいいということではもちろんありませんが、地元での存在感を示して、このクラブは地域にとって大切だ、公共財だと思われることがないといけません」
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