高校野球の甲子園大会で春夏計5度の優勝を誇る名門、横浜(神奈川)の新監督に平田徹さん(32)が就任した。1968年から半世紀近く横浜高を率いた渡辺元智監督(70)の後任として、8月1日に就任。既に初の公式戦となる秋季神奈川大会を戦い、名将の後任として第一歩を踏み出した。
「自分自身がプレッシャーを感じてナーバスになっているところを、選手に見せるのが一番良くないと思っているので、それは選手の前では出すまい、と努めているつもりです。プレッシャーを忘れるほどに無心で、グラウンドで生徒と汗を流して、寮でも生徒と一緒に時間を過ごして、目の前のやるべきことに集中力を持って臨んでいくことを心掛けています」
2006年4月に、母校横浜高に保健体育教師として着任。同時に野球部コーチとなり、10年4月から野球部長に。在校中に指導を受けた渡辺監督と小倉清一郎部長の下で10年近く、野球部に携わっている。監督就任後もこれまでと変わらず週5日野球部寮に寝泊り、選手と寝食を共にしている。
「まさに、裸の付き合いをしたり、背中を流してもらったり、湯船につかりながら、そこではなるべく野球の話はしないでくだらない話をしたり、冗談を言ったりですね。選手と同じ現場で、渡辺前監督もそうしてきたように、そういうことが高校野球の指導者にとっては一番大事なことだと思います」
32歳の若さで全国的な強豪校を率いることになった。24歳で横浜高の監督となった渡辺監督の姿に重なる部分もある。
「僕も大変なことがないと言えば嘘になりますけど、渡辺監督の若い頃の苦労の数々に比べれば、物の数ではないんだろうなという風に自分を奮い立たせています。大変な苦労がおありになったな、といろんなところで聞きますから。自分も頑張らなきゃいけない、これしきのことでくじけていてはだめだ、と」
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