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全米テニス、悲願の頂点に再挑戦する錦織

偉業に挑むセリーナ

 今回の全米オープンは、女子にも大きな注目が集まる。米国では男子以上かもしれない。地元のセリーナ・ウィリアムズは今季、全豪、全仏、ウィンブルドンと制覇。今回優勝を果たせば、年間グランドスラムを達成する。

 女子シングルスの年間グランドスラム達成者は、1953年のモーリーン・コノリー(米国)、70年のマーガレット・コート(オーストラリア)、88年のシュテフィ・グラフ(ドイツ)の3人だけ。ちなみに、88年のグラフはソウル五輪も制して「5冠」に輝いている。

 9月で34歳になるというのに、セリーナは完全に充実期を迎えている。今季は四大大会の3勝を含め、計5勝。四大大会では2014年のウィンブルドン3回戦で敗れたのを最後に、28連勝を続けている。最近は以前より気持ちの切り替えがうまくなった印象で、コートではよりテニスに集中できている感じがある。今年の全仏では、体調不良に悩まされながらも7戦中4試合に逆転勝ち。苦境に立っても決して諦めず、局面を打開する粘り強さも光っている。

 全米オープンは99年に17歳で初めての四大大会制覇を果たした大会。11年の決勝で敗れて以来、21連勝中と、4年連続7度目の優勝へ、視界は極めて良好と言える。

 今回優勝を果たせば、昨年の全米から四大大会5連勝となり、ともに6連勝を果たしたコートとマルチナ・ナブラチロワ(米国)、5連勝を遂げたグラフに続く快挙を成し遂げる。勝てば四大大会22勝目。歴代2位のグラフに並び、歴代1位のコートの24勝を完全に射程圏内にとらえる。

 「シュテフィ(グラフ)や、マーガレット(コート)について話をする立場に立つなんて夢にも思わなかった」と話すセリーナは、「記録が話題になるのは仕方がない」と自らのポジションを自覚している。それでも、「今年、自分に余計なプレッシャーをかけるつもりはない。ここ(全米)では来年も楽しくプレーしたいので」と自然体を強調している。

 順調に行けば、ウィンブルドン4強のアグニエシュカ・ラドワンスカ(ポーランド)が4回戦、姉のビーナスやカロリナ・プリスコバ(チェコ)、新鋭ベリンダ・ベンチッチ(スイス)が準々決勝で対戦する組み合わせになった。準決勝でぶつかる可能性があった第3シードのマリア・シャラポワ(ロシア)は足のけがで欠場。打倒セリーナを目指す一角が、戦わずして姿を消した。

 反対側のブロックには、第2シードのシモナ・ハレプ(ルーマニア)、第4-6シードのキャロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)、ペトラ・クビトバ、ルーシー・サファロバ(ともにチェコ)らが入った。セリーナを止める選手は、果たして現れるか。

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