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全米テニス、悲願の頂点に再挑戦する錦織

手強いビッグ3

 悲願の頂点に立つには、自らよりランキングが下のこれらの選手たちをしっかりと退けた上で、ジョコビッチ、フェデラー、マリーの現「ビッグ3」のうちの2人を倒す必要がある。今季の錦織はジョコビッチに1敗、マリーに2敗、フェデラーとは対戦なしと、3強には一度も勝っていない。

 今回、3人のうち最初に錦織の前に立ちはだかるとすれば、準決勝で当たる組み合わせとなったジョコビッチだ。ウィンブルドンで3度目の優勝を遂げた後、北米シリーズのロジャーズ杯ではマリー、ウエスタン・アンド・サザン・オープンではフェデラーに決勝でそれぞれ敗れ、準優勝が続いた。それでも、今季6勝を挙げ、現時点の安定感はランキング通りのナンバーワンだ。

 「とにかく安定している。強すぎるというか、今は彼にかなう選手がいない。彼を倒すことが、トップ10選手の中でも目標になっている」。ウィンブルドンの後、錦織がジョコビッチを評した言葉だ。昨年の全米で、錦織はそのジョコビッチを準決勝で6-4、1-6、7-6、6-3で撃破した。ジョコビッチは錦織の成長ぶりを認める一方で、その体力面に不安があると認識していたようだ。激戦が続いた錦織の戦いを見て、「そろそろスタミナが切れるころ」と少し甘く見ていたのかも知れない。その後は錦織に3連勝。しっかり気を引き締め、なかなかスキを見せてくれない印象だ。

 四大大会最多17勝を誇るフェデラーは8月に34歳となった。それでも、力はまだまだ健在。先のウエスタン・アンド・サザン・オープンでは決勝でジョコビッチを破り、今季5勝目を挙げた。ウィンブルドンで準優勝するなど、今季は後半になって、さらに調子を上げてきた印象がある。今回は2012年ウィンブルドン以来の四大大会制覇へ、十分にチャンスがありそうだ。

 28歳のマリーは今季、四大大会の勝利はないものの、4勝をマークしている。先のロジャーズ・カップでは、8連敗していた苦手のジョコビッチを決勝で破って優勝。3年ぶりの全米オープン制覇へ、弾みをつけた。錦織にとっても、苦手な相手の一人だ。なかなか持ち味を出させてもらえず、今季は2度の対戦ともストレート負け。マリーにとって、錦織との対戦は精神的にも優位に立った試合が予想される。

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