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全米テニス、悲願の頂点に再挑戦する錦織

欠場は予定通り?

 だが、同大会の準決勝では戦いぶりが一転。第2シードのアンディ・マリー(英国)に3-6、0-6で完敗した。ナダル戦とは打って変わってミスを連発し、「下半身に痛みが出た」第2セットは足が動かず、十分にボールを追うことができない不本意な黒星で、観客からブーイングを浴びてしまった。「100%の状態で動けなかった。疲労があった」と説明。同じカテゴリーのマスターズ大会、ウエスタン・アンド・サザン・オープン(8月16-23日、米シンシナティ)を欠場して回復に努めることになった。

 復帰戦勝利の後、再び調子を上げたかに見えたところで、再び下半身に痛みが出て欠場。今回も体調が気になる状況ではある。

 ただ、全米オープンまで間もない時期に開催されるウエスタン・アンド・サザン・オープンであまり無理をしないことは、当初から予定していたのではあるまいか。最も重視している全米オープンに疲労を残しては元も子もない。シティ・オープンに優勝して自らの調子が戻っていることを確認し、ロジャーズ・カップではナダルに初勝利を収めて4強入り。準決勝のマリー戦の内容が不本意だったとはいえ、ランキングを落とす心配もなくなった。十分に疲れを取って全米で勝負を懸けるという判断は、妥当というか、極めて賢明な選択だったと思われる。

 狙い通り、全米オープン直前の世界ランクは4位。四大大会の日本勢では最高の第4シードとして全米に臨むことになった。

 「モントリオールのマリー戦でお尻を痛めてしまい、シンシナティは出れませんでしたが、夏のハードコートシーズンとしてはかなりいいスタートが切れたんじゃないでしょうか。結果ももちろんそうですが、モントリオールでは内容がかなり良くなって、理想に近いテニスができていました」。ロジャーズ・カップの後、錦織は自らのブログにそう書き込んだ。大きな誤算なく、昨年躍進を果たしたニューヨーク郊外のナショナル・テニス・センターに戻ってくると考えていいだろう。

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