13年以降勝利から遠ざかっている宮里藍は、今季も苦しい戦いが続いている。トップ10入りはなく、ヨコハマタイヤ・クラシック(8月30日終了)まで5戦連続で予選落ち。とりわけ、好調時に大きな武器となっていたパットの感覚がなかなか戻らず、2メートル程度のパットを外す場面も目立つ。
不振脱出の糸口がつかめず、「うまくいかないときこそ、何かを変えようとすると、難しい方向にいってしまうことがある。結果につながっていないということは、(苦しい戦いが続く)そういう時期なのかなという感じもしている」というコメントに、トンネルに入り込んだ苦悩ぶりが浮かぶ。
ただ、そういう時期だからこそ、このエビアンが浮上のきっかけをもたらしてくれればと願うファンは少なくないはずだ。メジャーになってコースが若干変更されたとはいえ、何と言っても米ツアー初勝利を含めて2勝を挙げている縁起のいい大会だ。東尾さんは「本人にとって、いいイメージの大会。調子が悪いときでも、相性のいいコースだと、何かのきっかけがつかめたり、見えてくるものがあるものなんです」と期待を込めて語る。
現状を考えれば、一気に優勝争いに加わるような躍進は本人もなかなか想定できないだろう。しかし、だからこそ、無欲で臨める部分があるはず。「大会の雰囲気や空気感が好き」と好印象を抱くコースで、ゴルフを楽しむ感覚でプレーできれば、東尾さんの言う通り、再浮上のきっかけがつかめるかもしれない。もし何か見えてくるものがあれば、たとえ上位を争うことができなくても、今後に向けて収穫を残す戦いとなるに違いない。
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