さて、今年の大会である。まずは、主な日本勢の可能性から探っていこう。
大会の舞台となるエビアン・リゾートGCは、決して飛ばし屋が有利になるコースではない。それが、過去に日本選手が活躍できた理由のひとつでもある。その代わり、各ホールは湖に向けて傾斜してフラットな部分が少なく、フェアウエーは狭い。より打ちやすい場所にショットを運べる正確性、傾斜のあるライからピンに絡めていける技術が、より問われる。その上で、パットが決まるか否かだ。
現状で、最も期待できる存在は宮里美香だろう。8月2日まで行われた今季メジャー4戦目の全英女子オープンで上位争いに加わり、日本勢最高の7位に入った。首位に2打差の4位で最終日を迎えただけに、本人も「最終日にパットが決まらず、悔しさが残る」と振り返ったが、3度のトップ10入りを果たすなど、今季米ツアーで戦う日本勢で最も安定した戦いを続けているのは間違いない。
エビアンでは13年に単独首位で最終日を迎えた。最終ラウンドで崩れて19位にとどまったとはいえ、このコースでスコアを出せることは実証済みだ。昨年は最終日の16番でホールインワンをマークした。コースに対し、いいイメージを抱いているだろう。
今季は平均パット数のランキングで上位(8月末時点で3位)につけている。東尾さんも「もともとショットがいい選手なので、うまくかみ合えば(12年以来の)米ツアー2勝目も見えてくるのではないでしょうか」と期待を語る。
パットが好調なだけに、ショットをどれだけピンに絡めていけるか。まずは持ち味を発揮して前半で好位置につけ、後半の上位争いに加わりたい。優勝争いに絡むことができれば、最終日に崩れた13年の悔しい経験が生かせるかもしれない。
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