女子ゴルフの今季メジャー最終第5戦、エビアン選手権が9月10日から4日間、フランスのエビアン・リゾートGC(6453ヤード、パー71)で開催される。
欧州女子ツアーの一戦として大会が始まったのは1994年。2000年からは米女子ツアーとの共催大会となり、13年にはメジャーへと昇格した。今季の賞金総額は全米オープンの400万ドル、全米女子プロの350万ドルに次ぐ325万ドル(約3億9800万円)。今季最後のメジャーの成績は、シーズン終盤の個人タイトル争いの行方にも大きく影響するとあって、見どころは満載だ。
日本の多くのゴルフファンにとっては、メジャーに昇格する以前からなじみの深い大会に違いない。97年には、当時米ツアーを主戦場としていた小林浩美(現日本女子プロゴルフ協会会長)が14アンダー、274で並んだアリソン・ニコラス(英国)をプレーオフの末に振り切って優勝した。
それから12年後の09年、日本のファンは待ち望んでいたシーンを目撃することになる。米ツアー挑戦4年目の宮里藍が、14アンダーでソフィー・グスタフソン(スウェーデン)と並び、プレーオフ1ホール目のバーディーで念願の初勝利をマークした。「最後のパットが入った瞬間、いろいろなことがこみ上げてきた。重みのある初優勝だった。あの勝利がさらなる自信を与えてくれ、自分にとって新たなスタートになった」。
勝てそうで勝てない「産みの苦しみ」を味わった末の勝利。ようやく念願を果たしたことで勢いをつかみ、直後のメジャー大会、全英女子オープンでも3位に。翌10年にはツアー5勝を挙げ、世界ランキングで11週にわたって1位を記録する充実のシーズンを迎えた。エビアンの勝利が、宮里を、実力にふさわしい高みへと導いた。
11年にも初日から安定したゴルフを展開し、15アンダーでエビアン2勝目を挙げる。レマン湖を見下ろす美しいコースは、世界に挑んだ日本の女子ゴルファーにとって、何度も歓喜の舞台となった。
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