「日本のいちばん長い日」の役所広司さんに聞く

終戦尽力の群像劇

 戦後70年に合わせ、今年は例年にも増して太平洋戦争を題材にした映画が数多く公開されている。ノンフィクション作家、半藤一利さんの原作がベースの「日本のいちばん長い日」(原田眞人監督)もその一つ。戦争を終結させるために尽力した人々の姿を描く群像劇で、ベテラン俳優の役所広司さんが陸軍大臣の阿南惟幾(あなみ・これちか)役で重厚な演技を見せている。

 「映画を作ることが、お客さんと一緒に戦争を考えるきっかけになると思う」と語る役所さんに、作品や戦争に対する思いを聞いた。

聞き手:文化特信部編集委員 小菅昭彦
編集:時事ドットコム編集部
(2015年8月14日)

― 「日本のいちばん長い日」は、1967年に岡本喜八監督、三船敏郎さん主演で一度映画化されている。男性アクション映画の岡本監督らしい男くささを前面に押し出した演出が印象的だった。
 今回は、半藤さんの著作「聖断」と、阿南陸相の生涯にスポットを当てた「一死、大罪を謝す」(角田房子著)の内容も加え、人間としての昭和天皇(本木雅弘)の姿、阿南や鈴木貫太郎首相(山崎努)の「家族の物語」にもスポットを当てているのが特徴だ。

 (再映画化は)最初は無謀だと思いました。でも、前作では手とか後ろ姿しか映らなかった昭和天皇が、今回はちゃんと姿を現す。時代がたって、堂々と俳優が演じられるようになったのは大きな違いだと思った。

 阿南さんが持つ父親や夫の部分を演じられるのは、役者としては表現しやすく、救いだった気がします。三船さんが主演された67年版は封切りのときに見ました。三船さんに似せるとか、逆に違うように見せようとかは考えなかったが、無意識に影響された部分はあったかもしれない。何と言っても“ザ・日本人”という感じの方ですから。

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