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元特攻隊員の証言

国を救うため命を捨てた

 日本はあのとき、生きるか死ぬかの存亡の危機に立っていました。沖縄も取られてしまったし、いよいよこれから敵が本土に上陸してくるというときです。当時の特攻隊員は先に行った戦友に続くということで、自ら命を捨てることは国を救うため避けて通ることができない作戦なんだと、自分自身に言い聞かせて、敢然と任務を果たしていったと思うんですよ。

 その志は非常に尊いことで、私は涙が出る思いです。もう戦争は二度とあっちゃいけないという思いですね。戦後70年、日本に戦争がなくて平和に過ごせたということが私は何よりもよかったと思います。

 戦争はいけませんね。せっかく平和憲法を持っているわけですから、為政者は「二度と日本は戦争に巻き込まれない」という固い決意でこれからもやってもらいたいと思います。

 18歳だった電信員の前田長明さんは数年前に亡くなりました。操縦員だった梅本満さんはいま鹿児島におられますけど、病床に伏せっておいでです。

 戦友が一人ひとり減ってくるのは寂しいですけど、やっぱり自分もいつそういうことになるか分からない時期に来ていますからね。

 特攻は二度とあってはならない作戦でしょうけども、危急存亡の1945(昭和20)年はそういう作戦をあえてして、日本を救うために若者が命を捨てていったということだけは歴史に残るわけです。何といっても戦後70年間、平和を享受できているということが一番ありがたいことですね。

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