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欧州CL決勝、バルサ対ユーベ、3冠どちらに

いざ頂上決戦

 サッカーの欧州のクラブ王者を決める欧州チャンピオンズリーグ(CL)は6月6日(日本時間7日午前3時45分キックオフ予定)、ベルリンで決勝が行われる。今回はバルセロナ(スペイン)とユベントス(イタリア)が激突し、2014-15年シーズンの欧州王座を争う。

 両チームが決勝で対戦するのは初めて。今季は、ともに自国のリーグ戦とカップ戦を制覇。CL決勝は、どちらが栄えある「3冠」に輝くかという注目の戦いとなった。前身のチャンピオンズ・カップ時代も含め、バルセロナは4年ぶり8度目の決勝で4年ぶり5度目の優勝を狙い、ユベントスは12年ぶり8度目の決勝で19年ぶり3度目の栄冠を目指す。

 5月30日に行われたスペイン国王杯決勝。バルセロナのメッシが、ビルバオを相手に、またも伝説的なゴールを決めた。前半20分。右タッチライン際で相手の3人に囲まれながら、鋭い身のこなしで抜け出し、中に切れ込みながら、もう1人をかわす。左足から放たれた一撃は、近いサイドのゴールを破った。このスーパーゴールで相手の度肝を抜いたバルセロナは、前半にネイマール、後半には再びメッシが加点。3-1で快勝し、3季ぶり27度目の優勝を遂げた。5月17日に2季ぶり23度目の優勝を決めたリーグ戦に続く2冠。欧州CL決勝で3冠に挑む権利を得た。

 クラブのホームページによると、ルイスエンリケ監督は「2冠を手に入れたが、3冠目が欲しい。再び歴史がつくれるようにトライしたい」。CL決勝をにらんで、力強く宣言した。今季公式戦を通じ、メッシが58点、ネイマールが38点、出場停止処分で出遅れたスアレスも24点を量産し、このFW3人で120ゴールという爆発力。MFシャビは「(国王杯の)メッシのゴールは、彼のベストゴールの一つに入る、素晴らしいものだったね。ユベントスは油断ならない相手だけれど、われわれは今シーズンで最高の状態にいる」と現在のチーム状況に大きな自信をのぞかせ、ネイマールも「三つ目のタイトルを求めに行く。非常に大切なものだ」と、残るCL決勝での最高の締めくくりへ、決意を表明した。

 一方のユベントスは、バルセロナより先に2冠を手中にしていた。国内リーグでは最終的に、2位ローマに勝ち点17差。5月2日、4試合を残して4季連続31度目の優勝を決定。同20日のイタリア杯決勝では、延長戦の末にラツィオを2-1で振り切り、20季ぶり10度目の栄冠を手に入れた。アレグリ監督は「バルセロナとの対戦は特別なもの。倒すのは難しいが、勝負は1試合で決するから」と、一発勝負で争うCL頂上決戦へ秘策ありげ。また、自身まだ欧州クラブ王者の経験がないGKブフォンは「初の優勝を夢見ている。(前回の決勝から、この)12年間で、最も重要な試合になる」と気合十分だ。

 過去、国内リーグ戦、国内カップ戦と欧州王者の3冠を獲得したのは、1966-67年シーズンのセルティック(スコットランド)、71-72年のアヤックス、87-88年のPSVアイントホーフェン(ともにオランダ)、98-99年のマンチェスター・ユナイテッド(イングランド)、08-09年のバルセロナ、09-10年のインテル・ミラノ(イタリア)、12-13年のバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)の7チーム。バルセロナは6季ぶり2度目、ユベントスはクラブ初の快挙を目指す。

  CL決勝でのスペインーイタリアの対決は17年ぶり。過去には6度あり、スペイン勢が4勝2敗とリードしている。両チームに限ると、バルセロナは1992年にサンプドリアを1-0で退けて初の欧州王座に輝いたが、94年の決勝ではACミランに0-4で完敗。ユベントスは98年の決勝でレアル・マドリードに0-1で敗れている。決勝での戦績はバルセロナが4勝3敗、ユベントスは2勝5敗だ。

 会場はベルリンのオリンピック・スタジアム。CL決勝は初めての開催となる。06年ワールドカップ(W杯)では決勝の舞台となり、イタリアが1-1からのPK戦を制してフランスを退け、4度目の世界一に輝いた。イタリア代表のGKとして優勝の原動力となったブフォンは、同じ会場での栄冠獲得を夢見る。06年W杯決勝では、フランスのエース、ジダンが、イタリアのDFマテラッツィに頭突きをして退場処分を受ける、衝撃の出来事もあった。今回も、予想もしないハプニングが待っているのか…。

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