サッカーの女子ワールドカップ(W杯)カナダ大会が、6月6日から7月5日まで、カナダの6都市で行われ、日本代表のなでしこジャパンが大会連覇を目指す。
大会規模が拡大され、出場国は従来の16チームから24チームに増えた。新興国のレベルも上がってきており、日本にとっても「簡単に勝てる相手はいない」(上田栄治・日本サッカー協会女子副委員長)厳しい戦いが予想される。果たして、なでしこジャパンの運命は。
5月1日に東京都内の日本サッカー協会で行われたW杯代表のメンバー発表。ファンの関心は、ほぼ一点に絞られていたと言っても過言ではなかっただろう。
前回W杯で、日本の初優勝の原動力となったMF澤穂希が代表入りするか、否か。9月で37歳になる澤は、2014年5月のアジア・カップを最後に代表から遠ざかり、6大会連続のW杯入りへ、黄信号が灯ったと受け止められていた。
カメラのフラッシュを浴びながら、佐々木則夫監督が、GKから順に代表メンバーの名前を読み上げていく。DF陣が終わってすぐ、注目の名前がアナウンスされた。
「ミッドフィールダー(MF)、背番号10、澤穂希」。この日、最も激しく、フラッシュが光った瞬間だった。
「経験だけを買って彼女を選んだわけではありません。当然、現在のパフォーマンスを加味したうえでの選考です。(故障の後)コンディションを上げてW杯に照準を合わせてくれた。彼女の力は、今のなでしこには必要。チームに、彼女というエキスが入ることによって、チーム力がアップすると思います」(佐々木監督)。
しばらく代表に選んでいなかったのは、故障を抱えてコンディションが万全でなかったため。無理をさせず、あくまでW杯を見据えて状態が上がってくるのを待っていた。指揮官にとって、澤の選考は、世間が考えていたほど難しいことではなかったのだ。澤は開幕後のリーグ戦で高いパフォーマンスを見せ、コンディションが上がってきたことを実証。監督にとって、澤を選ばない理由はなくなった。
6度目のW杯代表となった澤は、やはりメンバー入りしたINACのチームメートとともに記者会見。
「また日の丸を背負って戦いたいという気持ちを持って、日々の練習に励んでいた。内心、ドキドキしていた。(選出の知らせを受けた瞬間)正直、少し泣きそうだった」と喜びの心境を語った。今回、カナダのピッチに立てば、男女を通じて初めての、W杯6度目の出場となる。
澤だけではなかった。前回の主力メンバーは、ほぼそのまま残留。23人中17人が、前回に続くメンバー入りとなった。最近出番が増えていた24歳のFW高瀬愛実が4月末にひざを故障し、不運にも代表を外れたのが、唯一と言っていいサプライズだった。
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