8時半をすぎて、カンセンジャーとお客さんがふれあう時間がやってきた。JR西日本のお兄さんに先導されて、カンセンジャーが1号車から順に車内に入ってくる。すぐに子供たちから黄色い歓声があがった。
「あ、カンセンジャーや」
「かっこいい」
体中で喜びを表す子供たち。カンセンジャーも両手を広げて決めポーズをつくった。ハイタッチ、握手、記念撮影…と、楽しい時間が過ぎていった。
まさか、そんな人はいないと思うが、「カンセンジャーって何?」という疑問を持つ方のために簡単に彼を紹介しておこう。カンセンジャーは、新幹線の安全や車内のマナーを守るために、EEKO星(ええこせい)からやってきた子供たちのヒーロー。普段はニシタビトという車掌の姿をし、怪物の姿を見たら素早く変身して戦うのを主な任務としている。
この列車は、人間を悪に導くダークマインダーという怪物が乗り込んでいるという設定になっている。大声で騒いだり、ゴミを散らかしたり、車内を走り回ったり…。そんな「やってはいけない事」をやれ、と子供たちをそそのかす悪者だ。子供たちとふれあいながらも、カンセンジャーは悪者はいないか-と車内の四方に鋭い視線を投げる。2号車から3号車、4号車へ…。いないはずだ。ダークマインダーはカンセンジャーの後から車内に乗り込んできた。
カンセンジャーはいつダークマインダーを見つけるのか。それとも、このまま車内の人々はダークマインダーに洗脳されてしまうのか…。なんてことを考えていたら、博多到着を知らせる車内アナウンスが流れてきた。二人の決闘もしばらくお預けのようだ。
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