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真冬の災害 あなたはどうする

車内閉じ込め、カイロ有用

 ― 暴風雪で車が動かなくなり、車内に閉じ込められた想定の訓練も行いましたね。

 雪の吹きだまりの中で車が止まってしまうと、車内に一酸化炭素が還流して、短ければ30分ほどで命を落とす危険性がある。冬に車が暴風雪で閉じ込められた場合、エンジンを切って助けを待つのが大前提です。

 昨年は外気が零下16度。約1時間で車の中も零下になり、3時間たつと零下5度、6時間たった朝方は零下10度以下まで下がりました。

 保温するものとして、着るタイプの毛布と、エマージェンシーシートと呼ばれるガシャガシャ音のするアルミシートの寝袋をかぶってもらいました。さらに加温グッズとして、USBブランケットと呼ばれる、パソコンの電源で加温できる市販の毛布も使い、寝てもらいました。

 問題になったのが、保温はするが、水を通さないアルミシートです。人は寝ている間に最低でも170ミリリットル、多い人だと250~300ミリリットルの汗をかく。それが全部アルミの中にたまる現象が起きたのです。

 大量の結露が生じ、それが凍結しました。すなわち、氷の中に寝なければいけないという事態が起きたのです。大いなる反省です。車内での耐寒訓練は午前0時から午前6時まで。昨年の体験者は6人でした。

 ― 今年はそれを踏まえての実施ですね。

 隣の網走では暴風雪警報が出るような状況でした。北見も大雪で、外に出るとブワーッと、ものすごい暴風雪に見舞われる中での演習。実際、エンジンをかけるときは、雪をかかないと危ないという感じで、本番さながらでした。

 結露はだめということで、今回はアルミのブランケットは使わず、座面に敷くだけにしました。そして加温には、いろんなカイロを使いました。足裏や足の甲、肩などに貼るカイロ、手袋の中に入れるカイロなどです。

 体の末端部分を温めるカイロは非常に重要です。末端を温めると体感温度が極めて上がる。かつ肩を温めると自分の血液が温まるので、非常に温かく感じます。ただのカイロではなく、局所的に温めるカイロが有用というのが、今回の演習の結果です。

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