間もなく着いた函館駅では、電気機関車からディーゼル機関車にけん引役が交代する。青森駅でも交換しているので、3台目の機関車だ。様子を見ようとホームに降りると、やはり北国の朝は寒い。ぶるると身震いする。
「世界三大夜景の町、函館を後にしまして…」。この駅で交代したJR北海道の車掌は、なかなかの名調子だ。雪で覆われた北海道駒ケ岳、線路際に広がる内浦湾と、沿線の景色を案内していく。
同じ車両に居た専門学校生丸茂優太さんは同級生7人と、鉄道旅行の真っ最中。札幌まで行った後は、列車を乗り継ぎ、8日間かけて鹿児島県指宿市まで旅する予定だそうだ。この日20歳になったという丸茂さん。「最高の誕生日。もったいなくて寝られなかった」と笑っていた。
もうすぐ苫小牧、という辺りで、食堂車が空いていることに気が付いた。朝食は駅弁を食べたが、せっかくの食堂車を使わないなんてもったいない! と、同行したカメラマンらとコーヒーを飲みに行く。大きめの窓から照らす日光で、車内はかなり温かい。遠くにまだ雪を残す樽前山を眺めながら、飲むコーヒーは、格別だった。
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