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超絶テクの盲目のギタリスト 田川ヒロアキ

ピアノ経験生かし、ヘビーメタルの世界へ

 先天的な視覚障害のため全盲のハンディがありながら超絶テクニックのロックギターを聴かせる田川ヒロアキ。幼い頃に学んだピアノのテクニックを生かし、普通とは逆からネックを押さえる独特の演奏スタイルで流れるような速いギターソロからヘビーなフレーズまで自由自在に奏でる。

 「THE ALFEE」の元専属ドラマー長谷川浩二、元「ブリザード」「スライ」のベーシスト寺沢功一とともに新バンド「TAGAWA」を結成、新アルバム「Flying Carpet」(Battle Cry Sound)を発表した。強力な重低音コンビとのコラボで、これまでのソロアルバムの曲を生まれ変わらせたヘビーメタルギターのインストルメンタル作品だ。

 ◇輪ゴムの手製ギター

 山口県下関市で生まれた田川には先天的な視覚障害があった。4歳の時に治療のための手術を受けたが改善せず、それ以降は強い光や明るさと暗さが判別できる程度の視力になる。13歳の時に完全に視力を失った。幼い田川がとりつかれていたのが菓子箱に輪ゴムを張って鳴らす「手製ギター」だったという。「輪ゴムの張り具合を変えて、音程を変えて和音をつくって遊んだりしてましたね」と笑う。

 幼い頃、自宅にあったオルガンをよく弾いていた田川はピアノを買ってもらい、5歳から正式なレッスンを受けるようになる。それは田川にとって現在の音楽活動の基礎になったが、いつの間にか絶対音感を持っていることを指摘される。「自分で感じたことはなく、周囲に言われて『どんな音感のことなんだろう?』としばらく分からないままでした」

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