「どの避妊方法が最も良いの?」ー。AMODEFAのピア・エデュケーター(同世代の指導役)、エリゼッテ・トマスさん(20)が集まった少女らに尋ねると、参加者らは次々と手を挙げ、「最もよい方法はコンドームとピルだと思う」「コンドームは病気感染と妊娠の二つを防ぐ重要な手段」「パートナーの(病気感染などに関する)状況を知ることや、(避妊で)合意を得ることも大切。そうすれば自分の体を守ることができる」など、青空の下で性に関する議論が活発に交わされた。
エリゼッテさんによると、こうした30人くらいの規模での集会は、月2度ほど開かれるとのこと。境遇を同じくする若いピア・エデュケーターが相談役のため、親や教師には話しづらい性の話題も気軽にできるようだった。なおコンドームやピルなどの避妊手段はAMODEFAの事務所で無料で配布されている。日本政府は2013年、IPPFに920万ドル(約9億4000万円)を拠出しており、その一部がAMODEFAに配分され、現地での避妊啓発活動などを支えている。日本とモザンビークとのつながりは、16世紀の天正時代に限った話ではない。
◇若い国、モザンビーク
この日のAMODEFAの集会には、近くの中等学校に通うデリシア・マリテさん(18)が参加していた。はきはきした受け答えが印象的なデリシアさん。なるほど、学校の生徒会長だという。
未成年の妊娠はよくあるの、と何気なしに尋ねると、「いとこ(14)が最近妊娠した。とても残念だった」と、顔を曇らせた。いとこは避妊についての知識はあったが、実際の避妊には無頓着だった。今は赤ちゃんを産み、夜学に通っているそうだ。
もっとも、デリシアさんは「未成年での妊娠と結婚はザンベジア州の問題」ときっぱり。将来の夢は「国際関係や政治学を学ぶこと」と、瞳を輝かせた。
モザンビークは人口の約66%が24歳以下という非常に若い国だ。デリシアさんらの世代が社会の中核を担う頃、女性を取り巻く環境は一段と改善している。そんな確信を抱いた。
新着
会員限定