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モザンビーク、幼き母たち

珍しくない13歳以下の妊婦

 バジョネ村の保健センター関係者は、「13歳以下の子供13人が今月既に妊娠した。15歳以上になるともっと多い」と明かした。フランセリーナさんはごく一例でしかない。実際その後、ザンベジア州の他の場所で、低年齢出産、未成年結婚の実例に次々と出くわした。

 ◇後手に回る避妊

 キリマネ郊外のニコアダラ村。午前8時過ぎだったが、村の保健センターは人であふれていた。妊娠検査を待つ女性たちの列の中に、タニア・ジャイミさん(14)がいた。朝5時に起き、自転車でセンターには6時に着いたものの既に遅く、長い列ができていた。声を掛けた時、タニアさんはようやく、自分の順番まであと5人のところにたどり着いていた。

 小学校7年生のタニアさん。学校の先生はタニアさんの妊娠を既に知っており、体育の授業は免除されているそうだ。大工の夫(17)とは一緒に暮らしている。すなわちモザンビーク流では結婚していることになる。

 「妊娠することは望んでいるわけではなかった」と、タニアさんは話す。しかし妊娠前は避妊を行っておらず、今になってようやくコンドームを使い始めた。もっとも、「学校の友達の間で妊娠は珍しいことではないわ。何人かは妊娠のため、学校に来なくなったもの」と語った。モザンビークの小学校は7学年が最終学年で、今夏で終業。彼女は何とか小学校は卒業できそうだ。

 そういえば、バジョネ村のフランセリーナさんも、3人目を妊娠してようやく、避妊など家族計画の指導を夫とともに受け始めたと話していた。避妊に対するあまりの認識不足が、望まない低年齢での出産を招き、社会的な慣習もあって未成年結婚に至らしめる構図が浮かび上がる。

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