豪華客船クルーズは、セレブのためのぜいたくな船旅。このように思われている方が多いのではないだろうか。いやいや、それは誤解。今や、航空機を利用した海外ビーチリゾートのツアー費用と比べ、遜色ない低価格でのクルーズも数多く提供されている。
近年、外国の海運会社が日本発着便の運航を本格化させ、国内でより手軽にクルーズを体験できるようになった。
今回、米プリンセス・クルーズ社の豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」が日本を起点としたクルーズを始めるに当たり、乗船する機会を得た。手頃な料金で、充実したサービスを提供する同船の魅力を紹介していきたい。(時事ドットコム編集部 堀尾晃宏)
初めての豪華客船クルーズ。この体験を一言で表現するならば、とにかく便利で快適。大きな荷物を持って移動する面倒なしで次の観光地に行け、その間、船内で魅力あふれるショーやイベント、食事などを楽しむことができる。リゾートホテルで過ごしながら、異なる土地の観光名所を巡れるようなものなのだ。
クルーズ船は一般的に、価格やサービス内容により、大衆向けのカジュアル、その上のプレミアム、最上級のラグジュアリーと三つのクラスに分類できる。カジュアルにはスケールメリットを生かせる大型の客船が多く、価格は1泊当たり1万円台から。一方、ラグジュアリーは中型、小型で乗客1人に対する乗組員の人数が多く、きめの細かいサービスが提供される。
これまで、自国海運業者の保護を目的としたカボタージュ規制により、外国船は日本国内のみの航路を設定できず、日本を周遊する客船は、プレミアムやラグジュアリークラスの日本船だけとなっていた。豪華客船は高価、というイメージはここからきているのかもしれない。
カジュアルクラスに近い価格で、プレミアムクラスのサービスを提供するプリンセス社は2013年、日本の航路に外国の港を経由するコースを設け、規制をクリア。これにより、利用しやすい価格で日本の各地を巡れ、しかも海外旅行までできるようになった。国土交通省の発表によると同年のクルーズ人口は、1989年の調査開始以来、最高となる23万8000人を記録。まさに黒船が来航し、日本に低価格クルーズ時代の幕が開けたのだ。
同社は14年、既に就航している総トン数7万7000トンの「サン・プリンセス」に加え、さらに大型のダイヤモンド・プリンセスを日本発着便に投入することを決定。同船はシンガポールのドックで改装され、日本向けの仕様に生まれ変わった。
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