日本プロ麻雀連盟の初代会長にして「ミスター麻雀」の異名を持つ雀士・小島武夫プロ。1936年生まれ、御年76歳ながら現役プロとして競技マージャンの世界で今も勝負を続けている。およそ60年のマージャン歴の中で培った「勝負の哲学」とはどんなものか? CS放送「MONDO TV」で放映されるプロリーグ戦の合間に、インタビューを試みた。
―勝負事で「運の波に乗る」という言い方をすることがありますが、その「勝ち運」をどうすれば、つかむことができるのでしょうか。
まずは、「乗ってきた」ことをどこで感じ取れるか。それが重要です。もちろん、非常に難しいものですけれどね。例えば、序盤に調子が悪くても、「良くなってきたな」と感じ取れたら、一気に畳み掛けていく。そのときは、いろいろと考えずに前を向いて戦う、それが勝負には必要なことだと思います。
―著書の中で、「感情的になるな」ともおっしゃっていますが。
勝負事では、皆が一生懸命戦っているわけですから、他の人の戦い方が悪くて自分が負けているとか、そういうことは考えない方がいい。他人を批判すると、それが自分の判断を鈍らせてくる。要するに、勝負事というのは、常に自分との戦いなんです。相手を意識し過ぎてもいけない。
―よく、マージャンの指南書では、(他のメンバーの)捨て牌(はい)から心理を読め、みたいなことが書いてありますが、小島プロの著書では、そうした言葉があまり見られません。
「相手の状況を読む」というのは、そう簡単なことではありません。それよりも、自分がどう戦っているかを考えた方が、分かりやすいですよね。
―著書に「勝負勘は天性のもの」という言葉がありましたが、わたしたちが普段の生活の中で、勝負勘を育てることはできないものでしょうか。
それはやはり、経験を積むことしかないでしょうね。「天性」と言っても、最初から勝負強いなんて人間はいないと思います。あくまで、どれだけ経験を積んで、それをどう生かすかということです。
―つまり「戦い続ける」必要があるということですか。
もちろん、そこで「どう戦うか」も重要です。一番いけないのは、ちょっと勝つと、すぐ守りに入ること。これはダメです。勝ったら、そこからかさにかかって攻めていかないと。マージャンなら2回連続でトップを取れば、3回目もいけます。ただし、勝負事は勝ち続けることはできません。だから、(運が落ちてきて)3着、ラス(最下位)と来たら腰を上げる。引け時を誤らないことも勝負事には必要です。
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