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【特集】モバイル・ワールド・コングレス2014

バルセロナ発、最先端の情報端末

 「今、一番活気がある見本市」--。通信、電機などの業界関係者がそう口をそろえるのは、毎年春にスペイン・バルセロナで行われる世界最大の携帯情報端末見本市「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)」だ。2014年も2月24日から27日まで開催された。

 スマートフォン(多機能携帯電話)は急速に普及し、電車の中、待ち時間、朝起きた直後、夜寝る前と、暇さえあれば手のひらほどの大きさのパネルをのぞき込むご仁は多いだろう。携帯情報端末は今後どう進化していくのか、モバイル技術はどのように暮らしを変えるのか。近未来のネット社会を豊かにするカギとなるデバイスを垣間見ようと、もはや春の陽気の地中海バルセロナを訪ねた。(ロンドン特派員  高岡秀一郎)

 ◇ウエアラブル端末で日記

 携帯情報端末の市場では、米アップルや韓国サムスン電子に押され気味とはいえ、ソニーは海外でなおも「良いイメージ」を保っている。

 先日ロンドン近郊で取材したナイジェリア人投資コンサルタントは、「みんな日本の電化製品は品質が良いと知っている。日本の中小企業はそんなイメージを大いに活用すべきだ」と説き、日本人にアフリカへの投資を促していた。高品質製品を生み出す著名日本企業として、彼がいの一番に挙げた名前のひとつがソニーだった。

 さて、ある意味「日の丸」を背負う企業とも言えるソニーは、バルセロナでウエアラブル端末の新しい使い方を提示した。腕に巻く端末「スマートバンド」で日常の行動を記録、アプリ「ライフログ」を使って、さながら日記を付けるかのようにスマホで生活の足跡を残していく、というものだ。

 どこへ行ったのか、どんな過ごし方をしたのか。写真も添え、「生活の特別な瞬間をブックマークして振り返ることもできる」とソニー関係者は語る。「ただのフィットネスバンドにとどまらない」(同関係者)という狙いは当たるのか。世界で発売される3月以降の展開が注目される。

 また、ソニーはスマホの新たな基幹モデルとなる「エクスペリアZ2」を発表した。「より大きく、より良く、より大胆に」(ソニーモバイルコミュニケーションズの鈴木国正社長)とのあり方を実現するため、パネルを5.2インチと、前モデルの5.0インチからやや拡大したほか、高精密な「4K」録画も可能にした。

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