女優・タレントとして活躍する東ちづるさんが、4月2日の「世界自閉症啓発デー」を盛り上げるイベントの「仕掛け人」として奔走している。
「世界自閉症啓発デー」は青色をイメージカラーにしており、ニューヨークのエンパイアステートビル、カナダのナイアガラの滝、エジプトのピラミッドなどがこの色でライトアップされる。日本では、東京タワーがブルーに染まり、自閉症者への理解を訴える。
自閉症をはじめとして発達障害は、ごく軽度も含めると小学校のひとクラスに2~3人はみられるというが、障害に対する知識の普及は進んでいない。「Get in Touch」という団体を立ち上げ、理事長として「生きにくさ」を抱える人たちへの支援活動を続ける東さんに2013年3月、その思いを聞いた。
―この活動を始めたきっかけは。
東日本大震災です。自閉症の人が、避難所に入れないという新聞の記事を読んで、「被災者なのに避難所に入れないってどういうこと?」という疑問が沸いて、被災地に行ってみました。
―被災地で、どんな思いを持たれたのでしょうか。
現地を見て感じたのは、「避難所は、日本の縮図だな」ということでした。
―どんな「縮図」だったのでしょう。
大災害が起きれば、障害があってもなくても、狭い避難所の中で共同生活をしなければなりません。避難所の中には、いろいろなルールがあります。例えば、寝る場所が男女別の避難所に、性同一性障害の方がいたら、その人はどこに寝るべきかなのかが分かりません。自閉症のお子さんは、(自宅から避難所に移ったことによる)環境の変化に耐えられずに騒いでしまう。そういう人たちは、結果的に「自主的な退去」をせざるを得なくなっていました。
―同じ被災者なのに、避難所にはいられなくなるわけですね。
周囲の人たちに悪気はありません。でも、すべての人が支えあっているわけでもない。どんな環境、どんな状態でも誰も排除しない社会であれば、そういうことは起こらないだろうと思いました。
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