会員限定記事会員限定記事

南米で栄華を極めた巨大帝国インカの遺跡を巡る

謎多きインカの歴史に迫る

 インカ帝国の繁栄と滅亡-。遺跡を訪れるたび、必ずこの言葉が脳裏に浮かんだ。謎多き文明。そしてコンキスタドールによる略奪と破壊。歴史を静かに見守ってきた遺跡に、そっと耳を傾けてみた。

 スペインの征服者「コンキスタドール」による侵略を受けるまで、約100年にわたり栄華を極めた巨大帝国インカ。

 アンデス山脈に暮らすケチュア族が興したクスコ王国を起源とし、ペルーを中心に、ボリビア、チリ、エクアドル、アルゼンチンの一部まで国土を広げ、最盛期には1600万人が暮らした南北アメリカで最大の国家であった。

 インカ時代に建造された遺跡は数多く残っているが、文字を持たない文明であったため、その記録が残っておらず、目的や用途は今もって謎に包まれている。

 それぞれの遺跡について、諸説ある。だが定かなものはない。これはある意味、誰でも解明レースに参加でき、説を唱えられるということなのだ。インカは歴史マニアにはたまらない、魅惑の文明なのである。

 今回、ジャングルの奥地に君臨する「マチュピチュ」、帝都があった「クスコ」、インカ人の豊かな生活を育んだ聖なる谷「ウルバンバ峡谷」、標高3830メートルに位置する天空の湖「ティティカカ湖」など、インカの遺跡が多く残る地域や末裔(まつえい)の人々が暮らす街を訪れ、神秘の帝国インカに迫ってみた。(時事ドットコム編集部 堀尾晃宏)

新着

会員限定



ページの先頭へ
時事通信の商品・サービス ラインナップ