インカ帝国の繁栄と滅亡-。遺跡を訪れるたび、必ずこの言葉が脳裏に浮かんだ。謎多き文明。そしてコンキスタドールによる略奪と破壊。歴史を静かに見守ってきた遺跡に、そっと耳を傾けてみた。
スペインの征服者「コンキスタドール」による侵略を受けるまで、約100年にわたり栄華を極めた巨大帝国インカ。
アンデス山脈に暮らすケチュア族が興したクスコ王国を起源とし、ペルーを中心に、ボリビア、チリ、エクアドル、アルゼンチンの一部まで国土を広げ、最盛期には1600万人が暮らした南北アメリカで最大の国家であった。
インカ時代に建造された遺跡は数多く残っているが、文字を持たない文明であったため、その記録が残っておらず、目的や用途は今もって謎に包まれている。
それぞれの遺跡について、諸説ある。だが定かなものはない。これはある意味、誰でも解明レースに参加でき、説を唱えられるということなのだ。インカは歴史マニアにはたまらない、魅惑の文明なのである。
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