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天然鮭からコラーゲン 数の子大手・井原水産の挑戦

数の子、日本人だけの食習慣

 関西を中心に数の子の「ヤマニ」として知られる井原水産株式会社(井原慶児社長=60歳)。北海道留萌市に本社を置く同社は、今、天然の鮭(さけ)皮からコラーゲンを抽出して製品化し、市場を広げている。ニシンの減少と景気低迷で、主力商品の数の子の売り上げが減り続ける難局に、経営の多角化で反転攻勢をかける中堅企業の意欲的な試みをレポートする。〔時事ドットコム編集部〕

 「あれからニシンは どこへいったやら」-1975年、歌手・北原ミレイさんが歌った石狩挽歌。北海道沿岸に押し寄せたニシンは、1900年前後には年間約100万トンも水揚げされた。しかし、55年には100トン以下に激減し、やがて姿を消した。当然のことながら、ニシンの卵である数の子も同じように減った。現在市場に出回っている製品の原料はロシア、カナダ、アメリカ産などが主流だ。

 数の子は室町時代の終わりごろから食べられていたほど歴史は古い。ただ、食習慣があるのは日本人だけという。

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