紀元前1200年~約1000年前、日本では縄文時代後期から弥生時代にあたるころ、メキシコ湾岸地方に存在したオルメカ文明。
その建築や美術様式がマヤ文明など古代文明の基礎となっていることから「母なる文明」とも呼ばれるが、紀元前200年ごろにこつぜんと姿を消した。
原因はいまだ多くの謎に満ちている。実は日本人とも関係性があるオルメカ文明。現在開催されている「古代メキシコ オルメカ文明展」にその謎を解く鍵があるという。
会場に入るとジャングルをイメージした茂みの奥に、人間の頭だけを模した巨大な石像が目に入る。
これは何なのか?誰なのか?会場入口に鎮座する石像を前にすると、素朴な疑問が浮かんでくる。
高さ176センチの「巨石人頭像(オルメカヘッド)」。19世紀後半ごろにメキシコ湾岸のジャングル奥地で発見された全17個の中でも小さいものを複製して展示した。
「この像、私たちに似ていませんか?」複製を前に今回の企画を務めた南博史・京都文化博物館主任学芸員が尋ねてきた。
小鼻が横に広がった「あぐら鼻」、分厚い唇、くっきりとした目、突き出た頬骨。日本人の顔付きには似てないように見えるが、オルメカ人は氷河期にアジアからベーリング海峡を渡って新大陸に散らばったモンゴロイドをルーツにもつ。巨石人頭像は「日本人の祖先の顔」とも言える。
巨石人頭像はヘルメット状の頭飾りを付けている特徴を持つ。この頭飾りが球戯用ヘルメットに似ていることから、競技者か支配者の肖像とされる。
彼らが権力や政治的プロパガンダ、支配する権利を神から授かったことを示すために造られたと考えられている。
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