【新次元の中国経済】豚肉高騰はスタグフレーションを招くか?

米系スーパー開店日、消費者が争奪戦

 8月27日、アメリカの会員制スーパー「コストコ」の中国第1号店が上海でオープンした。テレビニュースで見たが、多くの買い物客が殺到し、レジが2時間待ちという超繁盛ぶりだったようだ。翌日の一部の新聞報道では、「コストコ」現象から、中国の個人消費が依然旺盛だとか、アメリカ商品の人気が高いといったコメントが散見された。筆者は現場を見ていないため、こうした見方にコメントするつもりはないが、かつて上海で3年間生活したこともあって、直観的には「違うのではないか」と言いたい。

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 国や地域を問わず、オープン初日のスーパーに買い物客が殺到するのはよく見られる光景だ。記念価格などお買い得商品を得ようとする群集心理が働くためだ。また、米国系、フランス系、日系などさまざまなスーパーを観察した経験から言って、「コストコ」は米国系だが、陳列している商品はほとんど他の地元スーパーと変わらない中国製品のはずだ。案の定、中国のネットであふれている写真情報からみると、当日、「コストコ」で争奪戦を引き起こした目玉商品の一つは、「茅台酒」(マオタイ)だった。中国で知名度と価格が最も高いと言われる贈答用銘酒で、少しでも割安に入手しようと消費者が殺到したのだろう。

 もう一つ注目されたのは、豚肉をめぐる争奪戦だ。店頭の豚肉が米国産だったかどうかは断言できないが、おそらくこうした光景は、「コストコ」だけでなく、ほかのスーパーでも見られるのではないか。なぜなら、このところ豚肉価格は供給不足のため大幅に高騰しているためだ。大げさに言うと、海外では米中貿易戦争に注目が集まっているが、中国国内では、豚肉の値上がりが国民にとっての最大の関心事となっている。

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