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国家でない第3の団体が個人を守る~全中会長と佐藤優氏が対談~

国家の基幹として手厚い施策を

【佐藤氏】
 有識者やマスメデイアへの注文は。

【中家氏】
 教育の中で農をどう取り上げるのか。今の若い先生は本当に農業を知らない。各JAがやっている農業体験などを、学校教育に取り入れてもらいたい。

【佐藤氏】
 私は中立的ではなく、農協の味方だ。農協があることが、日本の民主主義の強化につながる。社会のインフラとして重要な分野には特別の政策が必要。農業も、国家の基幹として手厚い施策が必要だ。

【中家氏】
 農産物は工業製品と異なり、自然に左右されるリスクが理解されない。

【佐藤氏】
 今、北方領土でカギを握っているのは実は農水省だ。ロシアはイチゴとトマトの苗が欲しい。イチゴは超高級果物。日本のイチゴの苗は非常に優れていて、軽々に外国に出せない。だから今、領土問題の解決のカギはイチゴ。ミカンのロシアへの輸出も非常に有望だ。

【中家氏】
 輸出額1兆円が目標で、イチゴ、牛肉などは結構売れている。高品質な農策物もあり、JAグループも力を入れたい。ただ国によって障壁があることと、輸出を農家の所得にどう還元させるか。

【佐藤氏】
 まさにそこがポイント。攻めの農業を主張する人は、農産物を工業製品と同じように考えている。輸出や6次産業化が、具体的に農家の所得にどう反映するのかという点。それから、信頼できる食べ物を食べてもらいたいという、農家の想いに我々も応えたい。

【中家氏】
 その通り。輸出も大事だが、国内に潜在需要はまだまだたくさんある。輸出して所得に反映させることと、国内需要を掘り起こす必要がある。

【佐藤氏】
 そこは是非農水省に頑張ってほしい。あと、農協は守旧派だと批判している人は何も知らない人。農協は今、物凄く自己改革している。そこに目を向けずに批判するのはアンフェアだ。

【中家氏】
 我々が言うと手前味噌になるが、佐藤さんは発信力が強い。今後も我々の想いを伝えていただきたい。

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