2013年11月、東南アジア最大の日本アニメの祭典「アニメフェスティバルアジア(AFA)」がシンガポールで開かれた。「マレーシアから来た。楽しみだ」「私はインドネシア」。会場となったマリーナ地区のサンテック会議展示場前には、アニメの登場人物に成り切った若者らが、開場を待ち切れずに長蛇の列をつくった。
周辺各国を含め8万人強を動員するこのイベントでは、3日間にわたってグッズ販売や最新作の紹介、コスプレ大会、コンサートなどが繰り広げられた。08年から毎年開催されているが、人気はうなぎ上り。当初2万7000人だった来場者は11年には8万2000人に膨れ上がり、12年からはマレーシア、インドネシア、シンガポールの3カ国に分けて開催されている。
特に今回は、大手広告代理店の電通が主催者として本格参画した。幅広いネットワークを生かして、異業種との連携やビジネスへの展開、情報発信力を強化するのが狙いだ。電通スポーツアジア(シンガポール)の杉本将上級副社長は「AFAをプラットフォームとして成長させたい」と将来像を語った。
日本アニメはかねてから海外で人気が高い。政府のクールジャパン戦略でも、日本のポップカルチャーの代表格と位置付けられる。その最前線を探るため、アジアのハブ、シンガポールに入った。(時事通信社経済部・佐藤泰一)
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