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疾風のごとく 100メートル9秒台

スプリンターのA級ライセンス

 数ある五輪種目の中で、最も単純明快な競技は何か。答えは、陸上競技100メートル競走だ。それに異論を差し挟む人は少ないだろう。10秒に満たない時間の中で、すべての決着がついてしまう。野球やサッカーと違い、実力通りに着差が出て、挽回や逆転が不可能に近い点も、100メートル走の大きな特徴だ。世界各国の競技者は、4年に1度の、この瞬間のために多くの時間を費やし、トラックに集ってくる。

 現代の五輪100メートル競走で選手に求められるもの。それは、9秒台を出すことに他ならない。9秒台こそが一流スプリンターの証明であり、ファイナル(決勝)の舞台に立つA級ライセンスとも言える。

 9秒台をたたき出し、五輪や世界選手権で実績を上げた選手には、ニックネームがつく。「五輪四冠王」、「褐色の弾丸」、「帝王」、「稲妻」、そして「ビースト(野獣)」。さながら疾風(はやて)のごとく、トラックを駆け抜ける9秒台の男たち。当特集では、五輪金メダリスト、世界選手権王者、世界記録保持者たちにスポットを当てるとともに、日本初の9秒台をマークした桐生祥秀(東洋大)も紹介する。(時事ドットコム編集部)

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