日本で最も捕獲困難と言われる、セミ界のスーパースター。明け方、夕方の涼しい時間帯にしか姿を現さないことから、「幻のセミ」「神のセミ」とも呼ばれる。体長は4センチほどで、シャープな形態。「カナ、カナ、カナ」と鳴く。
飛行能力に優れており、元気のいいオスは地上30メートルより下には降りてこないとされている。さらに、ひとしきり鳴き終えると、すぐに別の木へ移動する「ヒット&アウェイ」作戦をとるため、人間の手で捕まえるのは非常に難しい。時々、弱って地上付近に降りてきた個体を捕まえることはできるが、それは真のヒグラシとは呼べない。「捕まえるよりも、死骸(しがい)を拾うことの方が多い」とはベテランの昆虫ファン。この言葉からも、ヒグラシの神秘性をうかがい知ることができる。
捕獲難易度はAを超えるS。「我をセミと思うなかれ」とは、東北に住むヒグラシ。(2010/08/19)
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