破綻・日本振興銀行

預金払い戻しへ営業再開

 経営破綻(はたん)した日本振興銀行(東京都千代田区)は13日午前9時、本店や札幌、神戸など全国主要16店舗で営業を再開し、預金保険で保護される1000万円までの預金元本とその利息を払い戻す初のペイオフ手続きを開始した。お金はその場では受け取れず、預金者が指定した口座に振り込まれる。13日に店頭で手続きをする最短のケースでも、振り込みは15日になる見込みだ。
 本店前には十数人の預金者が並んで開店を待った。午前6時半すぎに家族3人で一番乗りした千葉県柏市の無職男性(69)は計3000万円を中途解約。「早くすっきりしたかったので、利息のことは考えなかった」と話した。
 払い戻しの申請は郵送でも受け付ける。その他の店舗も、月内には営業を再開する見通し。
 振興銀の金融整理管財人の預金保険機構は12日、1人当たりの払い戻し可能額を正確に算出するため、同一名義の預金をまとめる「名寄せ」作業を終了。破綻した10日時点の預金者数は12万6779人、残高は総額5820億円と判明した。
 振興銀の事業は約8カ月後に承継銀行に譲渡され、利息の取り扱いは譲渡日の前か後かなどで異なってくる。預保機構は「払い戻しは早い者勝ちではなく、慌てて中途解約すると不利になる場合もある」(田辺昌徳理事長代理)として、相談窓口に問い合わせるよう呼び掛けている。
 保護対象外の1000万円を超える預金は3423人(全体の2.7%)が保有し、総額は110億円。一部はカットされる見通しで、すぐに払い戻しはできない。預保機構は、振興銀の資産状況に見合う概算額を算出して早期に支払う予定だが、最終的な弁済額の確定は1年以上先となる見通し。債権者説明会は週内にも開催される。
 預金に関する振興銀の問い合わせ先はフリーダイヤル(0120)722237(平日午前9時~午後7時まで)。(2010年9月13日配信、肩書き・名称、年齢はいずれも当時)

新着

会員限定

ページの先頭へ
時事通信の商品・サービス ラインナップ