なくせ! 第4種踏切

なくせ! 第4種踏切

 警報機も遮断機もなく、列車の接近を自分の目と耳だけで確認しなければならない「第4種踏切」。前世紀の遺物とも言えるそんな踏切が、全国に2700カ所以上も残っている。悲惨な事故が相次いでいるのに、なぜ廃止や抜本的な改良工事は進まないのだろうか。悲惨な死傷事故が相次ぎ、危険性が高いことを誰もが分かっていながら、関係者の利害調整は難航し、廃止や抜本的な改良工事は遅々として進まない。だが、「必要悪」と諦めたり、「自己責任」と放置したりしていたら、犠牲者は増える一方だ。地域の安全を確保するためには第4種踏切をなくす以外に道はないことを、このキャンペーン報道を通じて訴えていきたい。
(時事通信社編集局「なくせ!第4種踏切」取材班)

 4種踏切 踏切があることを示す警標だけで、列車の接近を知らせる警報機や自動遮断機が設置されていない踏切。国土交通省によると、2017年3月末時点で全国に2795カ所あった。事故が発生しやすいため、鉄道各社は廃止や1種踏切への格上げなどに取り組み、総数は減少しているものの、解消の見通しが立たない所も多い。警報機と自動遮断機を1組設置する平均的な費用は約1300万円だが、関連工事や維持費などの負担も発生する。16年度に起きた全国の踏切事故(死傷者が発生していないケースも含む)は223件で、うち4種踏切は31件と13.9%を占めた。
 警報機はあるものの、自動遮断機がない3種踏切は全国に737カ所。保安係が遮断機の上げ下げを操作する2種踏切は、現在はない。

 ※過去に死傷事故の起きた第4種踏切についてリポートする「第4種踏切・事故現場を歩く」。第1回は流鉄(千葉県)第2回は関東鉄道(茨城県)

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