開場直後から大勢の買い出し人や観光客らでにぎわう東京・豊洲市場(江東区)の売り場などで、心配されていた一部業者によるルール違反行為が早くも目立ち始めた。指定場所外での喫煙や公共スペースの不法占有など、移転前の築地市場(中央区)で問題視されていた光景が新市場で再現されている。開設者の東京都は業界団体と協力し、監視や取り締まりの強化に乗り出した。
豊洲市場は、公共施設としては異例なほど喫煙所が多いにもかかわらず、禁煙指定される水産仲卸売り場出入り口付近などで、路上喫煙やポイ捨て行為が後を絶たない。ある仲卸の従業員は「仕事が忙しく、離れた喫煙所まで行く余裕がない」と、つい仕事場近くで吸ってしまう理由を申し訳なさそうに話す。
都は新市場への移転を機に、築地では「事実上、野放し状態」(市場関係者)だった喫煙ルールの徹底に本腰を入れた。売り場が建物内になって衛生管理基準が上がり、煙や灰、吸い殻が食品に悪影響を及ぼすため。悪質な違反者に対し「市場への入場停止など行政処分を科す」(都の管理担当者)と、これまでにない厳しさ。
通路など公共スペースでは早速、仲卸業者などが勝手に荷物を置いて作業しており、築地と変わらないありさまだ。店に入り切らない鮮魚類が山積み状態の場所もあり、本来ならターレと呼ばれる小型運搬車4台がすれ違える広い通路が渋滞。1台ずつしか通れないこともあるという。都の担当者は「せっかくの設計が台無し、業者さん自らが市場の使い勝手を悪くしてしまっては元も子もない」とあきれ顔だ。
移転の混乱が収まっていないこともあり、都は荷物などの放置に関しては、少しだけ大目に見ているという。ただ、通路の死角スペースでの荷さばき行為など「接触事故が心配になる」(都担当者)ケースも増えており、危険性の高まりも重くみる。今後は早急にルール順守へ向けた指導や取り締まりを強める計画で、第1弾として、喫煙ルール違反の取り締まりから厳しく目を光らせていくという。(2018年10月27日配信)
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