首都圏の新たな台所、東京・豊洲市場(江東区)が開場してから、11日で丸1カ月となる。築地市場(中央区)からの移転が延期された後は一時、土壌汚染問題に伴う風評被害を心配する声が高まったが、今ではどこ吹く風。「豊洲直送」をうたう小売店もあるほどの人気ぶりだ。
豊洲市場が開場した10月11日から31日までの水産物の入荷量は、加工品も含めて日量平均約1200トンで、築地市場で取引された前年同期と比べ、若干の減少にとどまった。豊洲のオープンから「新しく衛生的な市場内の様子が伝えられ、産地から安心して魚を送ってもらっている」と、仲卸団体幹部の表情も明るい。
開場後、都内の鮮魚店では店頭に「祝・豊洲市場開場」「豊洲市場・初荷」などと掲げたり、客に「豊洲の魚だよ」と大声で知らせたりしてアピールするケースもあり、「これから築地以上に魚が集まってくるのではないか」(仲卸)とみる向きもある。
順調な滑り出しから、大手スーパーの水産担当バイヤーは豊洲市場での取引を中心に10月の売り上げが「サンマ漁の回復もあって昨年よりも大幅に増えた」と言い、手応えを感じている。
豊洲市場は、都が土壌汚染に関する追加対策を実施し、今年7月末には安全宣言が出されている。市場関係者の多くは、風評への懸念を示さなくなっており、これから年末年始の書き入れ時に向けて期待が高まっている。(2018年11月9日配信)
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