豊洲発「新鮮!魚の情報」

新サンマ、5月にも店頭に 不漁対策で出漁早める

 秋の味覚を代表するサンマの新物が、今年は例年より2カ月近く早い5月下旬にも店頭にお目見えしそうだ。サンマ漁は環境の変化や外国船の台頭などもあって近年は深刻な不漁が続いており、対策として今年から出漁を前倒しさせるため。供給の回復が期待されるが、従来通り夏場から操業する沿岸漁業者などからは資源状況の悪化を心配する声も上がっている。

 サンマの漁獲量は2000年以降、年間20万~30万トンで潤沢に推移していたが、漁模様が悪化した15年以降は急速に減少。特に少なかった17年は約8万4000トンにまで落ち込み、スーパーなどでの特売もできない状況だった。不漁の背景には、温暖化など海洋環境の変化で日本近海に漁場が形成されにくくなったことや、日本の沿岸に来遊する前に台湾や中国船が沖合で捕っていることなどが指摘されている。

 漁獲の回復に向け、水産庁は8~12月に制限していた大型サンマ漁船の操業期間を見直し、今年から1年を通して漁ができるよう規制を緩和。漁業者団体の全国さんま棒受網漁業協同組合(全さんま)によると、5月半ばから18隻が日本のはるか沖合の公海に向けて出漁する予定という。早ければ、5月下旬から6月上旬に帰港して初水揚げされる見通し。洋上でロシアの加工船にも販売するという。

 季節外れの新サンマに、東京・豊洲市場(江東区)の卸業者も注目している。販売担当者は「サイズや鮮度など、魚の状態にもよるが、入荷すればスーパーなどへ供給することになる」と話す。貴重な初物として高値で百貨店などに並ぶ例年とは状況が変わり、安値でのシーズン入りとなりそうだ。

 ただ、こうした規制緩和には批判もある。例年通り夏から漁を始める予定の沿岸漁業者からは、漁期の長期化で資源の悪化を心配する声が上がっている。また、旬から大きく外れた夏前のサンマは「成熟前で身が細く脂乗りも少ない」(北海道の漁業者)との評もあり、サンマ全体の消費者離れを懸念する産地関係者も少なくない。

 これに対して水産庁は、漁獲の上限を決めて厳格に管理することで資源に影響を及ぼさないと説明。サンマ自体も「沖合では漁場が早く形成され、魚体の成長も早まっている」(資源管理担当)と話している。(2019年4月22日配信)

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