豊洲発「新鮮!魚の情報」

仕入れ時の駐車代、築地の2倍以上 買い出し客減少の要因に

 東京・豊洲市場(江東区)では駐車料金の高さや積み込み場所の少なさなど、車で来場する買い出し人からの不満の声がいまだに多く上がっている。卸や仲卸など市場関係者も客足減少の要因として問題視しており、東京都に対し改善を求める動きも出始めている。

 同市場では3月末、バンや小型トラックなど約250台を収容していた無料の臨時駐車場が閉鎖された。観光客向けのショッピングモールや温浴場などを備える「千客万来施設」予定地のためで、現在は2022年の開業に向けたイベント会場などになっている。

 多い日は1日に1000台近くが利用していたという無料駐車場の消滅は、都内のほか近県からも仕入れに来ている街の鮮魚店や料理店など、多くの買い出し人を直撃した。都と駐車場を管理する業界団体は代替地として、時間単位で借りられる有料の駐車場などを案内しているが、利用料の高さなどがネックとなり移行はスムーズに進んでいない。

 2トントラックで茨城県から早朝に仕入れに来ているという鮮魚仕出し業者によると「1日3時間程度の利用でも1カ月の駐車コストは4万円を超える」という。移転前の旧築地市場(中央区)時代の2倍以上といい、別の仕入れ業者も「公共市場にしては料金が高過ぎる。郊外の市場なら無料も多い」と不満を漏らす。

 30分300円で利用できるコインパーキングも2カ所あるが、売り場に近い方はほぼ満車の状態で、入庫待ちの車列が毎朝できている。しかし、都が利用を薦めるもう一方は、売り場から400メートル以上離れており「遠くて魚を配達してもらえない」(埼玉県の鮮魚店)など、積み込み場所には不向きだという。

 置き場にあぶれた車で、公共通路への違法駐車も出ているが、市場関係者が最も危惧するのが「車での不便さから豊洲に見切りをつける客が出ている」(有力仲卸業者)ことだという。

 ウニや貝類を扱う仲卸業者は「小口客を中心に、2割近くは(築地時代より)来客が減った」と打ち明ける。販売不振で仲卸業者はこの1年で8社が事業譲渡し廃業。仲卸と同様に、競りなどで仕入れができる売買参加業者も6社が撤退した。

 こうした厳しい経営状況から、駐車料金の値下げや増設を望む声が高まっており、都は管理団体について「コストなどの収支を調べて料金の取り過ぎなどがないか検証する」(施設管理担当者)という。また、今後は駐車料金の安い時間帯を幅広く周知するほか、市場の近くにある割安な駐車場の有効活用なども検討している。(2019年10月10日配信)

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