稀勢の里、苦闘の日々

腰も痛め、けがの悪循環

 ◆全休明け、皆勤できず

 ◇2017年九州場所10日目(11月21日、福岡国際センター)◇
 横綱稀勢の里が腰と左足首のけがで、九州場所10日目の21日から休んだ。新横綱だった春場所は左の上腕、胸を痛めながら劇的な逆転優勝を遂げたが、これで夏場所から4場所連続の休場。けがが相次ぐ悪循環に陥っている。
 今場所は下半身に粘り強さが感じられず精彩を欠き、1場所では最多に並ぶ5個の金星を配給した。八角理事長(元横綱北勝海)は、腰痛に苦しんだ自身の経験を踏まえ「どこにも力が入れられなくなる」と分析した。
 稀勢の里は中卒たたき上げで、猛稽古と土俵に立ち続けることで己を磨いてきた。全休明けで臨んだのは今回が初めて。もともと器用なタイプではないだけに、相撲勘もなかなか取り戻せなかったのだろう。
 ふがいない状況が続けば、進退を問われかねない。八角理事長は「本人が一番悔しいと思う」と思慮した上で、「内容うんぬんより横綱としての成績を残さないといけない。ねじをぐっと巻き、必死に勝っていく稀勢の里に期待している」。完全復活へ向けた再出発を求めた。(運動部)
(2017.11.21配信)

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