◆復活の気配もつかの間
◇2018年初場所4日目(1月17日、東京・両国国技館)◇
4場所連続休場からの再起を期した場所。稀勢の里の乱れた歯車は、なかなかかみ合わない。4日目で早くも3敗。2日目には圧力を生かして今年初白星を手にし、復調の兆しを見せたのに、また窮地に追い込まれた。
若い頃からしのぎを削り、互いに手の内を知り尽くした琴奨菊との一番。頭から当たり、左を差したものの、相手の圧力を受けてすぐに腰高に。タイミング良く突き落とされ、土俵に転がった姿は、横綱としてあまりに寂しく映った。
場所前は高安と40番取った日もあり、手応えをつかみ始めているように見えた。この日の相撲を土俵下で見守った藤島審判長(元大関武双山)は「星があがらないと、気持ちが前向きになりづらい。地位が地位だからいろいろ考えるし、精神面が大きいのでは」とみる。
稀勢の里はややぼうぜんとした表情で、質問には生返事を繰り返したが、「土俵勘が戻っていないか」と聞かれると、「そうですね」とぽつり。本土俵に立ち続けなければ、感覚は取り戻せない。休場を重ねれば、退路は断たれていく。(運動部)
(2018.1.17配信)
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