稀勢の里 苦闘の日々

師匠に「このままでは終われない」

 ◆「覚悟していると思う」と田子ノ浦親方

 大相撲九州場所(福岡国際センター)を5日目の15日から休場した横綱稀勢の里の師匠、田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)は同日午前、福岡県大野城市の宿舎で稀勢の里に続いて報道陣の質問に答えた。稀勢の里は師匠に「このままでは終われない」と話したという。

 -横綱とはどんな話を。
 「もう1回チャンスをもらいたいと。体もだいぶ良くなってきているが、膝に痛みが出ていたようで、休場させてもらいたいと」
 -どのくらい話したか。
 「15分くらい」
 -けがは。
 「初日の相撲(貴景勝戦)で膝を痛めた感じ。たぶん捻挫ということだった。違和感と痛みがあるようだ。とりあえず治療しながらできることをやっていく」
 -休場の判断と覚悟は。
 「本人もいろんな意味で覚悟していると思う」
 -きのうはあと一歩だった。
 「本人もこれで終われないと思っている。本人の口からも出ている。信じてやるしかない」
 -横綱からはどんな言葉で
 「このままでは終われない。チャンスをくださいと」
 -厳しい声も出る。
 「いろいろなことを言われると思うけど、あいつの人生だし、一生懸命やってきているので、もう一度結果を出して、応援してくれる方に恩返しができるように」
 -再起へ向けて大事なことは。
 「一番は気持ち。必死にはやっているが、稽古で培ってきているので、初心に返って鍛え直し、体も心も充実させて土俵に向かわないと」
 -今後のことは。
 「できることはやって、様子を見つつですね。(冬巡業は)様子を見て」
 -進退を問う声も出る。
 「本人はいろんな思いでいると思う。覚悟をして臨むとは思いますけど」
 -師匠としては。
 「自分たちは力士が力を出せるように環境をつくってあげるのが仕事。稀勢の里は横綱ですからね。次の場所に向けてベストを尽くせるように後押ししていきたい」
 -場所前はいい仕上がりだった。
 「体は先場所と比べても全然良いと思うので、かみ合わなかったところがたくさんある。心と体のバランスの取り方が、駄目だったのかなと」
 -左大胸筋のけがの影響は。
 「100%治ったということは絶対ないと思うが、それが理由ではない」
 -「チャンスをください」と言われて。
 「本人はそういうことを言うタイプではないが、きのうは次に向けて全力でいきたい気持ちを感じた」(時事ドットコム編集部)(2018.11.15配信)

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