◆「ファン失望」、全会一致
日本相撲協会の諮問機関である横綱審議委員会は11月26日、福岡市内で定例会合を開き、九州場所で4連敗を喫して休場するなど不振が続く稀勢の里について審議し、全9委員の全会一致で「激励」することを決めた。過去に「激励」が決議された例はない。横審の内規では不振が続く横綱に委員の3分の2以上の決議があれば、軽いものから「激励」、「注意」、「引退勧告」などができると定められている。
北村正任委員長は「稀勢の里は長期にわたってその地位にふさわしい力量を示せず、九州場所における復活に願いをかけたファンの失望は大きい」と語った。次の初場所(2019年1月13日初日)への出場を求め、休場した場合は「引退勧告」する可能性を示唆した。
稀勢の里は新横綱だった昨年3月の春場所で左胸などを痛め、翌夏場所からは年6場所制となった1958年以降、横綱として最長となる8場所連続休場。今年秋場所は10勝5敗で終え、進退問題を乗り切った直後に再び窮地に立たされた。
横審は99年秋場所で皆勤して負け越した3代目若乃花に「休場勧告」、2002年名古屋場所まで7場所連続で全休した貴乃花には「出場勧告」を決議した。暴行問題を起こして引退した朝青龍には、50年の横審設置後初めて「引退勧告」を決議。傷害事件で引責引退した日馬富士は引退勧告に相当するとした。(運動部)(2018.11.26配信)
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