大相撲 新星探査

舛の勝 足踏み乗り越え開花目前

 ◆ノルマ決めて基本反復
 中卒たたき上げの舛の勝は、今年春場所で初土俵から8年目に入った。「とにかく十両に上がりたい」という思いを募らせている。
 2012年に入門2年余で幕下に昇進するまでは順調だったが、その後は足踏みした。それまで鍛え上げてくれた元幕内で兄弟子の舛ノ山が、足首などのけがで十分な稽古ができなくなり、負け越しや休場も増えて番付が降下。「胸を出してもらえなくなり、自分より(番付が)上の人がいなくなってしまった」と言うように、稽古環境に恵まれなかった。
 しかしこの間、舛の勝は腐ることなく、基本を磨いた。毎日、四股を500回、てっぽうは50回を5セット。少しでも時間があれば、すり足をこなした。「ノルマを決めて、とりあえず体を動かした」
 地道に築いた土台に加え、最近は積極的に出稽古を重ねている。前師匠(元関脇舛田山)の定年に伴い、昨年4月に部屋を継承した千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)の計らいで、親方が親しい貴乃花部屋や阿武松部屋に通うようになった。「いい稽古ができている」という手応えは、低い前傾姿勢でぶつかり、突き押しで果敢に攻める自分の形への自信につながった。

 ◆ロックで戦意高揚
 昨年九州場所は自己最高位の東幕下6枚目まで上がり、2勝5敗と負け越したが、次の今年初場所で5勝を挙げ、春場所は東幕下8枚目へ再浮上した。8日目には元十両の栃飛龍を押し込みながら逆転の突き落としを食い、「土俵際も落ち着いて攻めないと」。日々、収穫と課題を実感しながら念願の新十両昇進を見据える。
 22歳。自分より年下の幕内、十両力士を見ると、遠回りしたと感じるが、自分を奮い立たせるのは、同世代に人気のロックバンド「ONE OK ROCK(ワンオクロック)」の曲を聴くこと。いとこに勧められたという。場所入りする際に欠かさず聴いているそうで、「自分のモチベーションを上げてくれるんです」。若者らしく快活に笑った。

 ◆舛の勝(ますのしょう) 1994年11月14日生まれ、本名・石井伸明。千葉県柏市出身、千賀ノ浦部屋。2010年春場所初土俵、最高位は東幕下6枚目。182センチ、150キロ。

 ◇てっぽう 相撲の基本訓練の一つ。丸くて太い柱を使う。腰を割って両手を柱に付けて構え、一方の足をすり足で柱に寄せながら同時に同じ方の手で柱を突く。両腕を伸ばして体と柱の間を空け、寄せた足を戻す。次は反対側の足を寄せ、同じ方の手で柱を突く。この繰り返しで腕、足、腰などが鍛えられ、脇を締めて相手を突く形や肩甲骨の使い方も身に付く。相撲の稽古場には「てっぽう柱」があり、年季の入った柱は手の当たる部分がすり減っている。
 (データなどは2017年春場所8日目現在)
 (時事通信運動部相撲担当・大野周)

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