特集・ラグビーW杯プレーバック

91年準々決勝 AUS―IRE

 オーストラリア19―18(前半6―6)アイルランド

 W杯屈指の名勝負はいきなり文字通りの派手な殴り合いで始まった。オーストラリアのキックオフボールをキャッチしようとした選手間で乱闘が発生したのだ。

 両チームの気合がぶつかる中、先手を取ったのは優勝候補の豪州。エースのWTBキャンピージが先制トライすると、アイルランドも負けじとPG2つを入れ、同点で折り返す。

 後半に入り、互いにPGで加点。こう着した試合を打ち破るように再びキャンピージがトライを決め、15―9。地元での試合に負けられないアイルランドはPGを返し、さらに残り約5分となったところで、キックを追ったWTBクラークがキャンピージともつれ合いながらボールを確保、最後はフォローしたフランカーのハミルトンが左隅に飛び込んだ。

 試合中にも関わらず、観客がなだれ込んでハミルトンに抱きつくなど、ランズダウンロードスタジアムの興奮は最高潮に。難しい角度からのコンバージョンも決まって15―18。アイルランド勝利への確信が広がった。

 しかし、ここから豪州が地力を発揮。左からの展開でキャンピージが三たびゴールに走る。アイルランド守備陣が寸前でタックルしたものの、乱れたボールを豪州SOライナーが拾ってインゴールにたたき付け、アイルランドの手から金星がこぼれ落ちた。

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