特集・ラグビーW杯プレーバック

91年決勝 AUS―ENG

 オーストラリア12―6(前半9―0)イングランド

 準決勝まではとにかくキックで敵陣に入るという手堅い戦法を徹底し、「つまらないラグビー」との批判を浴びていたイングランドが決勝の舞台で豹変(ひょうへん)した。

 ラグビー発祥国の誇りか、あるいはエリザベス女王も臨席した聖地トゥイッケナムの空気がそうさせたのか、カーリング主将と名手ガスコットの両CTBを軸に展開ラグビーに打って出たのだ。

 対するオーストラリアは準決勝で初代W杯王者のニュージーランドをノートライに抑える強さを見せ、「新生」イングランドを豪州ディフェンスが迎え撃つ構図となった。

 序盤はイングランドが優勢に見えたが、先制したのは豪州。SOライナーがPGを決めると、若きCTBホランのキックによる突破で得たラインアウトからFWが押し込んでトライ。9-0とリードされたイングランドは前半終了間際のPGを外したのが痛かった。

 後半もイングランドは積極的な攻めを続けたが、PG2つを返すのが精いっぱい。ボールキャリアーに複数のディフェンスが絡む豪州のスウォーミングディフェンスの前にトライを奪えず、積極的なアタックに転じた姿勢は惜しくも実らなかった。

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