南アフリカ15―12ニュージーランド
南半球の強国の1つと目されながら、アパルトヘイト(人種隔離)に対する制裁で排除されてきた南アフリカが、自国開催というこれ以上ない舞台でW杯に登場した。
南アは開幕戦で前回優勝のオーストラリアに勝利したものの、残りのプール戦では、格下のはずのルーマニアに21―8、カナダに20―0と大勝とはいかない戦いぶり。フランスとの準決勝も豪雨の中、強力FWを盾に19―15で辛うじて振り切る形だった。
決勝の相手ニュージーランドは南アと対照的に、大会トライ王に輝くことになる若き怪物WTBロムーを中心に爆発的な攻撃力を発揮し、評価を上げてきた。
試合はニュージーランドのアタックを南アの堅いディフェンスが捕らえる展開で、得点はともにPGとDG。南アにも惜しいトライチャンスはあったが、80分を終えたスコアは9―9で延長戦に突入した。延長前半にそれぞれ1PGを加えて迎えた延長後半、南アSOストランスキーのDGが高い弧を描いてゴールポストの間に消え、ついに世界一が決した。
第3回にして初めてトライのない決勝戦だったが、破壊力のあるニュージーランドの攻撃と、ゲインラインを切られても素早いバッキングアップでボールを絡め取る南アディフェンスのせめぎ合いは、見応え十分だった。
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