終戦特集~太平洋戦争の歴史~

米軍が零戦を徹底分析

 開戦当初から日本海軍航空部隊の主力となった零式艦上戦闘機「零戦」は、長大な航続力と高い空戦性能で、連合軍戦闘機を圧倒した。1942(昭和17)年、アリューシャン列島で不時着した零戦の機体を回収した米軍は、これを米本土へ持ち帰って修理し、実際に飛行させて徹底分析した。

 その結果、右旋回の操作が難しいことや急降下時にエンジンが止まる可能性があるなど、零戦の弱点が突きとめられた。この分析結果は、連合軍パイロットに詳しく伝えられ、実際の戦闘に生かされた。また、F6Fヘルキャットなど米軍の新型機の開発にも反映されたことで、零戦の優位は徐々にゆらいでいった。

 しかし、日本は有力な後継機種を開発できず、零戦は終戦時まで海軍の主力戦闘機として戦った。生産数は1万機を超え、日本の航空史上で最多の機種となっている。

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